MinebeaMitsumi MEMS Room

空調機器業界におけるMEMSの活用

近年の気候変動や社会情勢の変化により、空調関連機器においても、エネルギー効率の向上や環境負荷の低減がこれまで以上に求められています。MEMSセンサーは家庭用のエアコンから、ビルや工場などの空調システムにまで使用されており、これらの社会課題を解決するとともに、快適な環境づくりへの貢献が期待されています。

空調機器に使用されているMEMSセンサーの種類と役割

空調機器に使用されているMEMSセンサーには、風量や風向きなどを検知するフローセンサーや、大気圧を測定する絶対圧センサー、さらに温度・湿度を検知する温湿度センサーなどがあります。例えば、近年のエアコンにはIRセンサーを搭載したものがあり、室内にいる人を検知することで無駄なく空調を動かすなど、エネルギー効率を上げることにもMEMSデバイスが貢献しています。

空調システムの制御に関わるMEMSセンサー

HVACとは「Heating, Ventilation, and Air Conditioning」の略で、日本語に訳すと「暖房、換気および空調」となり、空調システムのことを指します。このHVACには多くのMEMSセンサーが使用されており、例えばビルの空調システムでは、各部屋に備え付けた風量検知センサーで風量を測定し、それぞれに適した風量を送るように調整しています。

他にも気圧・温度・湿度の検知や、新冷媒のガスの漏れ検知にもMEMSセンサーが使われており、空調システムにとってMEMSセンサーは不可欠な存在であるといえます。

VAV/CAVで活用されるMEMSセンサー

VAVとは「Variable Air Volume」の略で可変風量制御装置のことを指し、CAVとは「Constant Air Volume」のことで日本語では定風量制御装置といいます。どちらも風量を調整する装置で、目的の風量になるよう自動調整をし、さらにその風量を一定に保つよう制御します。

このVAVやCAVにはMEMSフローセンサーが使用されており、冷暖房能力のコントロールに役立っています。これは空調ダクトに流れる風の速さを測定し、室内負荷(温度差)に応じてダンパーの羽根を開閉させて送風量を調整するというものです。

また、換気設備の設置義務化という動きは欧米を中心に広がっており、今後、”換気の見える化” という観点で、MEMSフローセンサーの採用は増えることが予測されています。

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空調機器業界で活用されるミネベアミツミのMEMSデバイス

ミネベアミツミのMEMSデバイスは、空調機器でも活用されています。微風センサーやIRセンサーなど、風量や風向きのコントロールに活用されたり、室内環境を一定に保つことに役立てられています。

空気の流れを制御する「微風センサー」

ビルの空調管理だけでなく、インターネットと住宅をつなげる「スマートハウス」の取り組みにおいて、効率的に空調システムを管理・制御して省エネに繋げる動きも活発になってきています。

ミネベアミツミの微風センサーは0~3m/secの風向きと風速を測定することができるため、わずかな風の流れも可視化できます。また、微風センサーは単体での使用ではなく、別のモジュールを組み合わせることで、より高度な測定を実現できます。

例えば農業の効率化を担うシステムや、生育状態のモニタリングや、建設業ではシミュレートした通りに空気が流れているかを調査するなどといった用途での活用が期待されています。

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人を検知して省エネを実現する「IRセンサー」

近年では省エネの観点から、人が近づいた時にアクティブなモードに切り替わり、人がいないときは省エネモードに切り替わるといった自動運転機能が搭載された空調機器も珍しくありません。

IRセンサーは赤外線で人を検知するという機能を有し、空調機器の自動運転では欠かせないセンサーとして重要な役割を担っています。

ミネベアミツミのIRセンサーは雑音等価温度差(NETD)が0.06℃以下と業界最高クラス*の低ノイズ性能を持ち、正確に温度を測定して人の誤検知を防ぐことができるため、空調機器の省エネに貢献しています。

当社調べ、2023年1月時点

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