MinebeaMitsumi MEMS Room

スマートフォンにおけるMEMSの活用

スマートフォンには、多くのMEMSデバイスが搭載されています。スマートフォンの状態や動きを検知するセンサーや、マイク・スピーカーなどの音に関連するもの、さらにフィルターと呼ばれる電波に関連する部品などで、MEMSデバイスを使用しています。

スマートフォンに搭載されているMEMSデバイスの種類と役割

スマートフォンの世界出荷台数は2021年に13億5000万台となり、電気部品の市場としても、極めて大きな市場へと成長しています。スマートフォンに使用されているMEMSデバイスは、必要な周波数の電波を抽出するフィルターをはじめ、位置検出を補完するモーションセンサー、さらには通話に必要なマイクロフォンなど、非常に多岐にわたります。

電波を制御するためのMEMSデバイス

5Gによる高速通信では、従来の携帯電話で使用していた電波帯域に加え、さらに複数の電波帯域が加わりました。フィルターは受信した電波の中で、特定の帯域を使用するために使われています。フィルターには複数の種類があり、このうちMEMSプロセスで製造可能なものをBAWといい、5G端末の普及とともに市場が大きく拡大しました。また使用できる電波帯域が広い点も、市場が成長した要因の一つです。一台のスマートフォンには、数十個ものフィルターが使用されていると考えられており、スマートフォンに用いられているMEMSセンサーの中でも、最大の使用量を持つ部品です。

高性能なスマートフォン実現のためのMEMSデバイス

スマートフォンに使用されているMEMSデバイスには、光学式手ブレ補正(OIS)や指紋認証などさまざまあり、すでに多くの製品が量産を開始しています。

スマートフォンは筐体サイズが小さく、またそのほとんどをバッテリースペースに取られるため、限られたスペースの中で高品質な機能性を実現しなくてはなりません。MEMSは小型かつ、高性能な部品を大量生産できるため、高機能なスマートフォンの製造を可能にしています。

一例を挙げるとMEMS発振器は、 2010年代を境に採用が増加しました。この背景には従来の水晶発振子と比較して、小型かつ周辺回路の削減ができ、さらに耐衝撃性・低消費電力・温度特性が良いなどのメリットがあります。

ナビゲーションアプリでGPSとともに使用される、加速度センサー・ジャイロセンサー・磁気センサーの3種はパッケージ化されて「慣性コンボセンサー」として統合される傾向にあります。このように従来は別々だったセンサーをMEMS技術を使って一つに集積することで、限られたスペースでも高い機能性を実現しています。

またMEMSデバイスは、省電力性能にも優れているため、電池の持ちを求められるスマートフォンの動作時間の延長にも貢献しています。

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スマートフォンで活用されるミネベアミツミのデバイス

スマートフォンはMEMSデバイスの集合体ではありますが、MEMS技術以外のデバイスも多数使用されています。ミネベアミツミが手掛ける半導体製品のうち、スマートフォンに使用されている製品を紹介します。

手ブレ補正を実現するソリューション

ミネベアミツミは、スマートフォンのカメラに採用されているOIS(光学式手ブレ補正)ソリューションを提供しています。OISは外部からの振動に対し画像を安定させる必要があるため、ジャイロセンサーなどを使用して、手ブレによる影響を防ぐのに役立てられています。

バッテリーの破損を防ぐさまざまな機能

ミネベアミツミの半導体製品は、スマートフォンに使用されるリチウムイオン2次電池の保護ICとしても活躍しています。

保護ICはリチウムイオン電池の電圧・電流を常に監視し、安全に使用できるよう制御しています。

リチウムイオン電池パッケージ内の構造

リチウムイオン電池のパッケージの中にはセル単体ではなく、cellの電圧、電流を監視するためのProtection IC(保護IC)が使われています。この保護ICを使って、リチウムイオン電池の安全性を高めています。

電池のイメージ。このパックの内側にICが使われています。

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