MinebeaMitsumi MEMS Room

医療業界におけるMEMSの活用

医療機器のトレンドの一つに、増加する生活習慣病または非感染性疾患(NCDs)や、高齢化社会での医療課題の解決が挙げられます。その取り組みの一つに「ベッドサイド検査」とも呼ばれる「ポイントオブケア検査」があります。これは患者個々人のそばで検査を行う取り組みで、患者の症状・状態にあわせたオーダーメイド医療に対応する機器が登場してきています。このような医療機器の開発に、さまざまなMEMSデバイスの活用が進んでいます。

医療の現場で活用されるMEMSデバイスの種類と役割

医療機器認定を取得している機器は数千種類もあり、さらに医療機器認定を取得していないヘルスケア機器が加わると、その数は大幅に増加します。これら医療・ヘルスケア機器には、多くのMEMSデバイスが使用されており血圧計のように一般家庭にまで普及している製品もあります。

MEMSデバイスが採用される理由として、小型で同一性能な部品を大量に生産できる点が挙げられます。例えば体内に埋め込むMEMSデバイスは、安全性の点から小型である必要があり、この点でMEMSデバイスを活用するメリットがあります。また量産性に優れていることから、感染症対策として使い捨てできる検査機器などに広く使われる傾向があります。こうした点からも、MEMS技術の医療応用は活況を迎えているといえます。

非侵襲のヘルスケア機器におけるMEMSセンサーの役割

「非侵襲計測技術」とは、電極や針などを刺すことなく生体情報を測定する技術のことで、ヘルスケアの分野での活用が進んでいます。ウェアラブルタイプの機器を使って、心拍や血圧、血糖値を簡易的に計測する試みがなされています。

測定方式の多くは光学式となっており、特定波長のLEDやレーザー光を受光素子で読み取り、皮膚組織内の変化を検出します。読み取りに使用するセンサーにはパッケージ化されたMEMSデバイスが使用されています。複数機能のMEMSを一体化したことで小型化・低消費電力化が進み、腕時計タイプやヘッドセットタイプなど、さまざまな形状の機器を開発できるようになりました。

感染症や呼吸器疾患を予防する観点から、近年注目の集まる屋内外の空気質の管理においても、MEMSセンサーが活用されています。CO2濃度を計測して換気を促すシステムや、PM2.5などの空気中にある微小粒子の計測を行い注意喚起するなど、さまざまな用途で使用されるMEMSデバイスは医療・ヘルスケアの分野でなくてはならない存在になってきています。

検査で活躍するMEMSデバイス

医療機器で採用されるMEMSセンサーとしてポピュラーなものに、血圧計の圧力検知に使用されているMEMS圧力センサーがあります。また、近年広がりを見せるポイントオブケアの流れを受けて、遠隔治療・遠隔診察をスムーズにするため、多くのMEMSデバイスが利用されています。

MEMSマイクを使った心拍確認や、MEMSフローセンサーによる喘息の診察、COPD(慢性閉塞性肺疾患)のモニタリングなど、さまざまな医療機器でMEMSデバイスが活用されています。

この背景にあるのはMEMSデバイスが小型化・省電力化ができるため、患者の身体に大きな負担をかけることなく、治療に必要なセンサーなどを使用できるという点です。また、同じ性能の物を大量生産できるため、機器の使い捨てができ、患者を感染症から防ぐことにも一役買っています。

従来は病院でのみ使用されていた機器も通信機能を追加したことで、家庭での利用が可能となり、遠隔地や無医地区などでの医療拡充が現実のものに近づいてきています。

またPCR検査をはじめとする検体検査においても、MEMS技術を応用したマイクロ流路(マイクロ流体デバイス)が使い捨ての部品として使われています。特に遺伝子解析を行うDNAシーケンサーは、MEMSの特徴の一つである「同じ品質のものを大量に生産できる」点を活かし、機器の低価格化にも大きく貢献しています。

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医療業界で活用されるミネベアミツミのMEMSデバイス

ミネベアミツミでは血圧計に採用された圧力センサーをはじめ、人工呼吸器でも使用されているフローセンサーなど、これからの発展が期待されている医療機器の進歩に貢献しています。

血圧計で使用される「圧力センサー」

ミネベアミツミは主要な血圧計向け圧力センサーのプロバイダーとして、国内外に生産拠点を設置しており、中でもMEMSゲージ圧センサーが数多くの血圧計で採用されています。

この圧力センサーは、MEMSセンサーと制御IC(ADコンバータ)を1パッケージにしたことで、搭載時の調整工程を減らすことができます。また周辺回路の削減と、マイコンのADコンバータ不要というメリットがあります。

なお、搭載するシステム側で制御IC(ADコンバータ)を有する場合に対応できる、アナログ出力タイプも用意しています。

また、圧力センサーに加え、血圧計用のポンプモーターの製造・販売も手掛けています。

工場出荷時に完全調整済みのため、お客様の手による調整は不要です。
また、これまでのADCの技術を生かしてADCラインナップを拡充しています。

  • A:センサー制御IC
  • B:MEMS圧力センサー
  • C:コマンド
  • D:デジタルデータ(温度/圧力)
  • E:低性能マイコン

MEMS圧力センサーのイメージ図。

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人工呼吸器に使用される「フローセンサー」

慢性閉塞性肺疾患(COPD)や 睡眠時無呼吸症候群(SAS)などの疾患は、大気汚染や生活習慣の変化もあって、今後、患者数の増加が見込まれています。

またCOVID-19の流行から人工呼吸器が不足したため、一部の地域ではSASに使用しているCPAP(Continuous Positive Airway Pressure)治療器が代用品として緊急承認され、注目を集めました。

呼吸器関連の治療では、CPAP機器、人工呼吸器、酸素濃縮器、スパイロ検査機器(肺活量測定,努力肺活量測定)など、さまざまな種類の機器が使用されています。フローセンサーは肺からの空気の流れを確認することにも使用されており、人命にも関わる重要なセンサーとして活用が広がっています。

CPAPのフローセンサーの搭載イメージ

ミネベアミツミのフローセンサーはCPAPが適切な動作をするのに必要な気体流量を正確に測定します。

その他フローセンサーが活用されている医療機器

  • スパイロメーター
  • 酸素濃縮器
  • 人工呼吸器

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