MinebeaMitsumi MEMS Room

自動車業界におけるMEMSの活用

さまざまな業界での導入や既存部品からの置き換えが進むMEMSデバイスは、スマートフォンや家電をはじめ、自動車の搭載部品にも広がりをみせています。ガソリン車での活用はもちろん、電気自動車へのシフトに伴って、さらなるMEMSデバイスの需要拡大が期待されています。

車載用MEMSセンサーの種類と役割

MEMS技術で作られたセンサーは、ガソリンエンジンだけでなく、EVシフトしていく自動車にとって、なくてはならない存在です。中でも注目が集まっている自動運転の実現には、MEMS技術で作られたデバイスが多数使用されています。

ガソリン車からEVへ。自動車を支えるMEMS技術

ガソリン車には数多くのMEMSセンサーが使用されています。一例を挙げるとエンジン制御では、さまざまなMEMS圧力センサーが使われており、気体や液体などの検知をしています。検知に使用する圧力センサーの設置環境はさまざまあり、それぞれの条件に合ったパッケージングがされています。

エンジン以外の圧力センサーの用途には、欧州などではすでに義務化されているタイヤ圧(TPMS)の検知があります。さらに電気自動車で使用されているリチウムイオン電池の熱暴走現象を未然に防ぐため、圧力センサーを使用したバッテリーモニタリング技術の開発が進んでいます。

エンジンに関連する圧力センサー

吸気
マニホールド圧(MAP)、大気圧(BAP)
排気ガス
排気ガス粒子(GPF:ガソリン/DPF:ディーゼル)、 排ガス循環(EGR)
ガソリンタンク
ガソリンタンク漏れ防止(EVAP)
その他
エンジンオイル、トランスミッションオイル

エンジン以外に関連する圧力センサー

タイヤ圧(TPMS)、HVAC、バッテリーモニタリングなど

さまざまな内蔵アプリケーションで使用されるMEMSセンサー

ガソリン車から電気自動車へのシフトが進む中、特に注目を集めるのが「インフォテインメント」です。これは車載システムの一つで、自動車における情報(インフォメーション)と娯楽(エンターテインメント)の要素を提供するもので、この名称は二つの言葉を合わせた造語となっています。

このインフォテインメントを支える部品には、MEMSセンサーをはじめとした複数のMEMSデバイスが使用されています。

例えば自動車ナビゲーション(カーナビ)は、加速度センサー・ジャイロセンサー・地磁気センサーなどの各種MEMSセンサーを使用しており、自動車の動きと連動してさまざまな情報を画面に表示します。また加速度センサーはエアバッグにも用いられており、自動車が何かと衝突した際の衝撃を読み取りエアバッグを膨らませるのに役立てられています。

ナビゲーションへの音声入力にはMEMSマイクが使用されており、車載スピーカーとしてMEMSスピーカー、またHUD(ヘッドアップディスプレイ)の一部にはMEMSミラーが使われています。近年、車内のサラウンドシステムとしてMEMSスピーカーの活用が進んできています。ウェアラブルのワイヤレスイヤホンなどで採用されているMEMSスピーカーは、超小型・超軽量・省エネ性能に優れるというメリットがあります。これを車内のシートや天井、ドアなどに配置することで迫力の立体音響を実現するとともに、多数のスピーカーを設置してもスペースを取らず、従来のスピーカーを積んだ場合よりも車内重量を減らすことができます。

車内空調を制御するHVAC(Heating, Ventilation, and Air Conditioning)では、空気の流れのセンシングなどでもMEMSセンサーが使用されています。今後、自動運転の進化に伴い車内の環境も注目されています。CO2濃度といった車内の空気質の可視化も重視されると考えられており、その測定でのMEMSセンサーの活用が期待されています。また、より快適な車内空間を実現するため、においセンシングの機器などを使用した研究・開発は進んでおり、将来的にはさらに多様なMEMSデバイスが車に搭載されると予想されています。

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自動車業界で活用されるミネベアミツミのMEMSデバイス

ミネベアミツミでは、CASE時代を迎える自動車製造において、さまざまなMEMSデバイスを提供します。中でも自動運転技術は、各メーカーによる研究開発・実証実験が進み、実用化もすぐそこまで迫ってきています。この自動運転の実現において重要なピースとなる「LiDAR」に使用されているMEMSデバイスをミネベアミツミは提供しています。

LiDARに使用される「MEMSミラー」

LiDARによる距離測定のイメージ

自動運転の実現に向けてさまざまな研究や実験が進む中、「LiDAR(Light Detection And Ranging)」という技術に注目が集まっています。この技術は、レーザーを周囲の対象物に照射して2Dあるいは3Dでセンシングを行い、対象物の形状や動きを検知するものです。

レーザーを広範囲に走査するためには、さまざまなデバイスを使用します。従来、LiDARにはモーターが使われていましたが、より小型化ができるMEMSミラーによるLiDARの開発が進んでいます。

またミネベアミツミでは通常のモーターやMEMSデバイス以外にも、独自の磁気回路設計から生まれた回転往復運動アクチュエーター「LATM(Limited Angle Torque Motor)*」により、 LiDARのミラー角度を高速・高精度で制御を行える機器も開発しています。

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