転がり玉軸受は外部から荷重が加わると、玉と軌道溝の接触点で変形(変位)が発生します。
ラジアル変位
                    図13-1に示すようにラジアル荷重(Fr)が加わったとき、玉に加わる最大荷重(Q)は、
                    
 となります。 
 Z : 玉数
                
玉と軌道溝の接触点でのラジアル変位(δ)は
                    
 で表わされます。
                
                    :玉と軌道溝との関係で決まる係数。
                    Σρ:接触点の主曲率の和
玉は内輪と外輪に接触していますので、総変位量は両者の変位量の和になります。
δr: 総ラジアル変位量
                    δi : 玉と内輪軌道溝の間のラジアル変位量
δe: 玉と外輪軌道溝の間のラジアル変位量
とすると、総変位量(δr)は次式で表わされます。
 δr = δi + δe
アキシアル変位
アキシアル荷重(Fa)が加わった場合のアキシアル変位量(δa)は以下の方法で求めます。

 c : 接触弾性係数
初期接触角(α0)と接触角(α)の関係
                    一方の軌道輪を、すきまがなくなるまでアキシアル方向に移動させたときに、図13-2に示す初期接触角(α0)は、以下で求められます。

Gr:ラジアルすきま 
                    ri :内輪溝曲率半径 
                    re:外輪溝曲率半径 
                    Dw:玉径
                
図13-2に示すように初期接触状態からアキシアル方向に荷重(Fa)をかけた時に生じる接触角(α)と初期接触角(α0)の関係式は以下のようになります。
